アポウィルブログ - アポウィルに関わるメンバーによる日々の綴り

最近の調剤薬局での重点項目について(1)~お薬手帳とジェネリック医薬品~

この数年、調剤薬局では、お薬手帳、ジェネリック医薬品への変更、在宅医療の3点が重点項目になっています。

慢性疾患の高齢者がほとんどの我が薬局では、すべての患者さんがお薬手帳もが持参しているとは言い難い状況にあります。風邪など一時的な症状で病院に来た患者さんの多くも「お薬手帳」は必要ないとおっしゃいます。

ジェネリック医薬品については「変更してほしい患者さん」と「変更してほしくない患者さん」の両極端に分かれます。我々もジェネリック医薬品の在庫を必ずしも用意しているわけではありませんが、変更を望む患者さんがいた場合は可能な限りお引き受けするのは当たり前だと考えています。問屋さんにできるだけ迅速な手配をお願いしたり、入り次第患者さんにお届けするなどスピーディな対応を心掛けています。

一方で変更して欲しくない患者さんもいらっしゃいます。同等の効果は謳っているとはいえ、何十年も飲み続けている心臓の薬や血圧の薬などを変更することに抵抗感をもつ患者さんの気持ちも理解できます。ですから、オリジナルな先発品のままでの調剤もします。

一部の薬局では強引に後発品への変更を無理強いするところもあるようです。他の薬局でいやな思いをしたからと、我が薬局に来局する患者さんもいます。

後発医薬品調剤体制加算の新基準は55%以上。我が薬局にとっては高い指標ですが、これからも、先発品を望む患者さんの声は尊重して真摯に応えていきたいと思います。

お薬手帳とジェネリック医薬品を普及させていくためには、本来、CMをはじめ国が積極的に啓蒙活動を推進して国民に周知させるべきではないでしょうか。現場や一部の企業任せの情報発信にはおのずと限界が見えるものです。

我々が考える薬局。

大規模薬局の中には、1日何百枚もの処方せんを捌き、患者さんが1時間も待つのは当たり前といったところは少なくありません。引換券と交換で薬を受け取るさまは、まるで流れ作業です。

我々は、薬剤師の仕事は機械的な流れ作業としての調剤などルーチン業務に忙しく追われることではないと考えています。

我々が目指すのは、この対極にある薬局と薬剤師の姿です。我々は、薬剤師の役割は、患者さんの相談に乗ることだと考えています。実際、患者さんが薬剤師に話しかけるのをためらうどころか、話しかけやすい雰囲気の薬局ではないかと自負しています。実際、「薬剤師にも話が聞けて良かった」と言ってくれる患者さんが多いのが我が薬局の特徴ではないでしょうか。

処方せんを渡されたら、病院の目の前の薬局に行くものだと思い込んでいる患者さんの中にも、薬について、時には質問したいと思うことはあるでしょう。しかし混んでるから仕方がないと受け身にならず、自分で薬局を選択してほしいものです。詳しい説明が必要なら、ぜひとも我々の薬局にも来ていただきたいと、そう思っております。

なにか違った側面を感じて頂けることもあるかもしれないからです。1年目、それ以前の旧薬局時代からの患者さんも含め、もちろん移り変わりはございますが、3年目を終えた時点で、お陰様で、新しい患者さんも徐々に増えてまいりました。

患者さんからの相談、大歓迎の薬局です。

当薬局は、病院さんのすぐ近くに立地する、いわゆる門前薬局ではありません。病院からやや離れたわかりにくい場所にあります。そういう意味では、病院をひとつに限定せず、広い地域から患者さんを集める、いわゆる面分業的な側面をもつ薬局スタイルです。

一日に30から40人、多い時で50、60人の患者さんが訪れ、一か月で約800枚の処方せんを受け付けております。一度に患者さんが集中することもありますが、それ以外の時は、患者さんとゆっくり対応できるので、色々相談されてる方は少なくありません。

情報化時代の現在、不安な情報も次々に入ってきます。降圧剤の副作用のデータ改ざん問題、糖尿病の新薬の発がんリスクなどはその例です。このような薬に関する不安なり、疑問なり、ご意見、感想なりを気軽におっしゃってください。我々は、薬局薬剤師として出来る限り受け止め、真摯に対応しています。

税理士の先生をお迎えしました。

税理士の先生をお迎えしました。

写真にもありますように、先日は税理士の先生を薬局にお迎えして、前年度の経営状況と税金について話し合いをしました。

当たり前のことですが、法人税をはじめとする税金とは、前年度の経営状況を反映したものなのだとあらためて実感しました。

昨年の経営状況は順調でしたが、この先も順調にいくかどうかは、残念ながら楽観を許さない状況だとの結論になりました。

今年は、薬価改定に加えて消費税の影響もありそうだからです。また、処方せんについては長期処方が増えた上に、新薬、OD錠、配合剤、剤型変更、併売品、さらにジェネリックも加わり、揃えるべき在庫は増える一方です。この小さな薬局にとっては過剰在庫。いずれはデットストックがかさんで経営が圧迫されるかもしれません。頭が痛い、悩みの種の一つです。

経営者らしい悩みを抱えるようになりました。

日々の業務の中では、小さな行き違いはあるにせよ、患者さん、処方元の医療機関の先生たちと、これといった大きなトラブルもなく、順調にやってこられました。それが、「自信という力」として蓄積し続けているかのようです。

もっとも1年目は、本当に無我夢中で、正直にいえば経営面は疎かになっていました。2年目に入ったころ、問題が噴出してきました。問屋さんとの価格交渉の遅れから気が付けば経常利益が圧迫され、かなり苦しい立場に追い込まれました。

これにこりて、昨年は、アテックさんにご指導、協力をお願いしました。その甲斐あって、問屋さんとの交渉も順調に進展し、黒字を達成することができました。

A薬局 オーナー HT

A薬局 オーナー HT

2014年5月、病院の薬局で働いていた妻を誘って、A薬局を引き継いでから4年目を迎えました。無我夢中で仕事に取り組んだ3年間でしたが、ようやく薬局経営にも慣れてきました。これまでの軌跡や私が目指している理想の薬局などについて語っていきたいと思います。このブログが、独立をめざしている薬剤師の方の参考になれば幸いです。

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