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購入薬局の選び方

薬局は一つとして同じものはありません。どの薬局を購入すればいいか、以下の点を確認してみてください。

薬局の規模が自分の経験、スキルに合っているか

「管理薬剤師は経験しているけど、薬局の経営は初めて」そのような場合には、薬剤師は自分一人、もしくは薬剤師のご夫婦2人で運営できる規模の店舗をおすすめします。薬剤師の雇用は、想像以上に難しいものです。経営の経験がないままに薬剤師を雇うと、店舗の運営はたちまち立ち行かなくなってしまいます。

譲渡金額は妥当か

購入したい店舗を見つけると、誰でも独立したい気持ちが強くなり冷静さを欠いてしまいがちです。薬局を購入することが決して最終目標ではないことを忘れないでください。譲渡の金額は適正なものなのか、購入資金を自分はどれくらいの期間で回収したいのか、経営的な視点から冷静に判断することが大切です。

周辺の医療機関の状況は?

購入する薬局の周辺にある医療機関について、インターネットなど自分で調べられる範囲で情報収集をしましょう。ただし、間違っても「○○薬局を購入するんだけど・・・」と問屋さんや友人に聞いてはいけません。情報漏洩で責任を取ることになる可能性があります。また、医療機関に直接聞くこともご法度です。

家主はどうか

薬局の家賃には、適正な範囲があります。異常に高い家賃設定や、特殊な賃貸契約を結んでいる薬局は要注意です。購入したあなたも、同じ不利な条件で契約を結ぶことになる可能性が高いからです。

オーナーはどんな人か?

オーナーの人柄は、契約をスムーズに締結できるかどうかを左右します。「購入者の立場を無視するような条件を提示してくるオーナー」「どこか信用できないオーナー」…。オーナーの人柄に不安があるときは、一呼吸置いて、この人の薬局を購入すべきかをもう一度冷静に判断しましょう。

購入条件、ココに注目!

オーナーは「薬局をいくらで売却したいか」ということは決めていても、その他の条件は決めていない場合も多々あります。そこで、売り手、買い手の双方が納得できる条件を確認していきます。

譲渡価格の範囲

譲渡価格は営業権だけなのか、什器備品、あるいは在庫までも含めた価格なのかで、大きく変わってきます。このツメが甘いと、譲渡後「思っていた以上にお金がかった!」ということもあり得ます。その金額は何を指しているのか、しっかりと確認することが大切です。

リース債務の確認

「譲渡価格に入っていると思っていたら……レセコンがリース契約だった!」ということはままあるもの。通常、薬局経営に必要なものであればリース債務を引き継ぎます。何がリースか、毎月の支払額はいくらか、契約はいつまでか、といった点も必ずチェックします。

譲渡日の確認

自分はいつから店に入れるのか、またオーナーの譲渡希望日はいつなのか確認します。

従業員の確認

「店舗は購入したが、従業員をみんな連れて行かれた!」というケースもあります。そこで、どの従業員が残ってくれそうなのか確認します。しかし、これはあくまで確認です。雇用するかどうかは面接の上で決定します。

その他

中には、医療機関にリベートを渡している薬局もあります。当然、このような違法行為を引き継ぐわけにはいきません。解消できそうかオーナーに確認をします。

個人で買うか、法人か

薬局経営を個人でおこなうのか、法人を設立しておこなうのか、既にある法人でおこなうのか、決めておかなくてはなりません。法人設立には2週間前後かかりますので、計画的に設立します。

譲渡契約の締結

ここまで確認してきた購入条件を、譲渡契約書にして締結します。譲渡契約書は、弊社でご用意いたします。内容をよく確認し、調印してください。これで、譲渡日からあなたの薬局です。支払は契約書通り履行していきます。通常、譲渡金額の3分の1をそれぞれ、契約時、譲渡日、譲渡1ヵ月後、に支払います。

契約後には忘れずに

契約してはじめて医療機関や家主さんに挨拶に行くことができます。先生に安心して院外処方を出し続けてもらえるよう、前のオーナーから上手に紹介してもらいましょう。

また、保健所の事前相談に行くなど、前のオーナーの協力を得て行政手続を進めていきます。その他、リース債務引継ぎ、電話、水道、電気などの名義変更、業務の引継ぎを行い、譲渡日の準備をしていきます。

譲渡前日にやること

前のオーナーと協力して、医薬品等商品在庫の棚卸をします。買取在庫代金の支払いは、通常、譲渡日より2ヵ月後に行います。

今日からあなたの薬局です!

経営者という立場で、勤務薬剤師の時とは違う視点での運営を心がけてください。いままで経験をしたことがない面白さや大変さを、日々体感することができるはずです。経営者としての経験を積んでいけば、多店舗展開、大型店舗購入の道も開けていくことでしょう。

最後に

オーナーにとって、今まで大切に育ててきた薬局を手放すことは、非常に勇気がいるものです。また、自分が経営できるのも、前のオーナーが患者様や医療機関との関係を築いてきた信頼を承継できるからです。薬局の購入を実現するには、前のオーナーに敬意をはらうこともとても大切です。


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